仕事も子育ても味わいつくそう! ―中曽根陽子さん講演の社員向けウェビナー開催!

パーソルテンプスタッフ株式会社は、“結婚”、“出産”、“育児”といったライフイベントに際して、はたらくことも楽しみ、すこやかに生きていくためのヒントを探るべく、教育ジャーナリスト・マザークエスト代表の中曽根 陽子さんをお迎えして、社員向けのウェビナー「仕事も子育ても味わいつくそう!」(全3回)を開催しました。

ウェビナーは1回約50分。各回ともオープニング後30分から40分、中曽根さんにご講演いただき、その後は、モデレーターと講演内容の復習や、あらかじめアンケートで寄せられた参加者からの質問に回答していただくトークセッションが行われました。

本記事では、中曽根さんの講演でのお話を、各回とも一部を抜粋、編集してご紹介します。

目次

講演者紹介

中曽根 陽子さん/教育ジャーナリスト マザークエスト代表

小学館を出産のため退職後、「お母さんと子供達の笑顔のために」をコンセプトに登録スタッフ制の企画編集会社を立ち上げ、多くの本をプロデュース。子どもの中学受験をきっかけに教育分野にシフトし、教育ジャーナリストとして紙媒体からWEB連載まで幅広く執筆。2014年、母親自身が新しい時代をデザインする力を育てる学びの場「マザークエスト」を立ち上げる。著書には『成功する子は「やりたいこと」を見つけている 子どもの「探究力」の育て方』(青春出版社)など多数がある。

丈夫な脳を育てよう!

【第一回】

第一回目は、2021年9月24日に開催。この日のテーマは、「新しい時代の子育て」です。

講演では、「私たちの子どものころと今では時代が変わり、子育ての仕方も当然変わっている」とし、これからの子育てや教育に必要なことについて、次のように説きました。

「これからは、“自ら考えて行動できる人”、“新たな価値を創造できる人”が必要だと言われています。
では、子どもたちが、自ら考えて行動できるようになるには、どのような教育をしたらいいのでしょうか。

それには、子どものころから自分で考えて選択し、行動する体験を重ねること――、つまり、「探究力」が必要で、この探究力を育てるためのキーワードは、3つ。「1.焦らない、2.決めつけない、3.コントロールしない」です。
大事なのは、「丈夫な脳を育てる」こと。現在は早期教育が流行っていますが、まずはしっかり土台をつくることが必要です。そのために大切なのは、「①早寝・早起き・朝ごはん」、「②自由なあそび」、「③余白の時間」の3つ。この3つさえやっておけば大丈夫ですので、力を抜いて子育てしてください」

続いて「自分で考え、動ける子」の育て方、「やりたいが育ち、やり抜ける力」を育てる方法についても語られました。

時間管理より、エネルギーマネジメントを!

【第二回】

第二回目が開催されたのは、11月12日この日のテーマは、「しなやかにキャリアを築くためのヒント」です。

第一回目が“子育て”にフォーカスしたお話しだったのに対し、第二回目は、“私たち自身”にフォーカスした講演でした。

まず、そもそもキャリアとは何かというお話から。そして「はたらいて、笑おう。に近づくためのヒントについてが説かれました。

「キャリアの語源は馬車の轍(わだち)と言われています。つまり、その人が歩んできた行程、人生そのものをキャリアと呼びます。そして、どのルートを歩むかは人それぞれ。変化の激しい現代において、キャリアの8割はプランド・ハップンスタンス(※1)でつくられていると言われています。
(※1)プランド・ハップンスタンス(Planned Happenstance)は、日本語で「意図された偶然」や「計画された偶発性理論」と訳される、比較的新しいキャリア論です。

では、変化の激しい時代に、キャリアを築くには、どうしたらいいか……。
1日24時間しかない中で、時間管理はとても大変なこと。でも、時間管理より、エネルギーマネジメントをすることで、最大のパワーを引き出すことができるという考え方があります。
第一回目で土台をつくるという話をしましたが、大人も同じ。そのために大切にすべきことも同じ。ぜひエネルギーマネジメントをしてみてください」

講演の終わりには、感情のエネルギーを整えるために行うとよいこととして次の2つが挙げられました。
①「深呼吸」
②「就寝前に3つのいいこと(感謝)を思い出す」

強みを使えば、ポジティブループが回りはじめる

【第三回】

第三回目が開催されたのは、12月24日この日のテーマは、「強みをキャリアや子育てに活かす方法」です。

この回は“強み”にフォーカスした講演。まず、“強み”には、「スキル」「才能」「身体能力」以外に「興味」「個性」「性格」が含まれること、そしてこの強みを活かすことが“幸せな人の共通点”として、注目されていることが語られ、続いて「仕事と“強み”の関係」が説かれました。

クリスマスイブの開催とあって、赤い帽子をかぶって登場の中曽根さん

「職場で“強み”を使うと、満足度・自己効力感(やってみようという気持ち)・積極性・能率がアップし、ストレスが減少して離職率が下がり、生産性が向上すると言われています。また、『“強み”を仕事で使っている』、『上司が部下の“強み”に気付いている』場合、社員のエンゲージメントが、大幅に向上するという調査結果もあります。
なぜそんなに“強み”が有効なのか……。それは“強み”を意識することで、自己効力感が高まり、“強み”を使うことでさらに良い結果が出る。そして、その成功体験によってポジティブなループが回り始め、さらに良い結果が出て満足度も高まっていくからです」

その後、「“強み”の見つけ方」として、次の3つに目を向けることを提案。
①興味関心があることやワクワクすること
②得意なこと
③周囲からのフィードバックに目を向けること
また、診断ツールを使って見つける方法もあると、「診断ツール『VIA-IS』」が紹介されました。

さらに、「“強み”と親子のウェルビーイング」についても説かれました。そこでは、結果ではなく、プロセスに注目して、努力したことを褒めることが重要であることが語られ、例題として次が挙げられました。

<例題>
「子どもがテストで70点をとったとき、どんな声をかければいい?」
①「すごいね!頭がいいね!」
②「頑張ったね」
良い声かけ:②

②のように努力に対する声かけで、「やればできる!」「失敗は成功への道」という思考に。またプロセス自体も楽しめるようになることが紹介されました。


3回のウェビナーは、業務時間外となるランチタイムでの実施だったにもかかわらず、各回とも育児休業中の社員を含め約100名が参加。それぞれに発見や気付きのある、有意義な時間を過ごせたようです。
参加者からは、次のような感想が聞かれました。

内容としては参考になることが多く、育児だけではなく仕事にも通じるところは多いと感じました。むしろ男性側の意識関心をより高くあげることが必要なのだと自分事として改めて感じました。

『恩おくり』という言葉、できるときに恩を返す、とっても心に響きました。子どもがいる人、いない人がいる中で、その違いは重要ではなく、お互いに自分ができることは何か、ということが重要なんだと思いました。

子育ても仕事も味わい尽くそう、がそのまま心の中に伝わりました。どちらも味わい尽くしていいんだ、とも思えるようになりました。

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