パーソルグループでは、グループビジョンに「はたらいて、笑おう。」を掲げ、社内外へのビジョン浸透を目指してさまざまな取り組みを行っています。
その一環として、社員がグループビジョンをより具体的に描き、自分事化するきっかけをつくりたいという想いから「2030年の『はたらいて、笑おう。』が実現された世界」をテーマにしたアイデアを募集。多数の応募の中から3名の作品を選出し、絵本として形にしました。
「はたらいて、笑おう。」が実現された世界とは……を考えるきっかけに
パーソルグループは総合人材サービスグループとして、さまざまな事業を展開しています。故に、「はたらいて、笑おう。」をどのように実現するのか、実現された世界では何が見えるのか、という点については社員それぞれの解釈があります。また、日々忙しく業務と向き合っていると、ふと「自分の仕事がどう役に立っているのか」「誰かの力になれているだろうか」と考えてしまうことも少なくありません。
そんな社員が少し立ち止まって、自分なりの「はたらいて、笑おう。」を考える時間ときっかけをつくりたいという想いでこの企画がスタートしました。
社員と絵本作家さんとの共同作業で一冊の絵本をつくるまで
●まずは社員からストーリーを募集
グループ社員へ「2030年の『はたらいて、笑おう。』が実現された世界」をテーマに、その世界観とそこに至るまでのストーリーを文章で募集を開始。約3週間の間に多くの社員からの応募がありました。自分自身の経験を基にしたもの、エンジニアとしてのプライドを表したもの、未来都市を描いたものなど、さまざまなビジョン実現のストーリーが集まりました。
その中から8名が最終選考に進み、代表取締役社長 CEOの和田 孝雄、代表取締役副社長の高橋 広敏の審査を経て3名の社員のストーリーが選出されました。
●絵本作家さんとともに表現したい世界を制作
今回、絵本作家やアーティストとして活躍されている3名にご協力いただき、社員それぞれが考えていることや想いを絵本という形にしていただきました。
まずは初回のミーティングを実施。絵本の仕様は、全6ページの構成・サイズが決まっているのみ。そこからどのようにストーリーを紡いでいくのか、どんな絵のイメージを思い描いているのかなどをじっくり話し合いました。
このミーティングから最後の完成まで、やり取りはすべてオンラインで実施。オンラインミーティングやメールでのやり取りで、想いや意見を共有して無事完成に至りました。
3名の社員が描く「はたらいて、笑おう。」が実現された世界
それぞれの社員がどのような世界を表現したのか、どんな想いを込めたのかをご紹介します。
タイトル:箱
千村 祐人
パーソルキャリア株式会社
2017年に中途入社。約3年間、人材紹介事業の法人営業としてIT企業を担当。お客さまの経営課題を解決する中で、自社の経営に関わりたいとの想いが芽生え、2021年4月から経営管理業務へ異動。
この企画では構想と文章を担当。
●絵本のストーリー
主人公は一匹のペンギン。ペンギンなのに魚が苦手で、うまく泳げず、おなかに大きなホクロがあることをコンプレックスに感じています。そこへ不思議なおじいさんペンギンが現れ、主人公に語りかけます。「キミの箱は窮屈そうに見える」と。無意識に持ってしまっている自分へのレッテルや思い込み。それらから解き放たれた世界を表現しています。
●絵本に込めた想い
「はたらいて、笑おう。」=それぞれが自分らしくはたらいている状態だと考えたのですが、“自分らしさ”を問われると、考え込んでしまう人も多いのではないでしょうか。特に最近はSNSの影響力も強く、自分よりも優れていると感じられる人も多いので、比較して「自分は劣っている」と感じやすくなっているのではないか、と……。そんな現代だからこそ、他者と比較するのではなく、自分自身と向き合って、自分はどんな人間で何が得意で、何ができるのかということを考え、自分自身を認めてあげるきっかけになればという想いを込めて文を紡いでいきました。
また構想の元は、群れの中で最初に海に飛び込む「ファーストペンギン」です。天敵がいるかもしれない海に飛び込むのは、ペンギンにとって勇気がいる行動ですが、ファーストペンギンは、自分の意思で先陣を切って海に飛び込みます。自分の想いや決意を大事にする象徴として知られており、このストーリーにフィットすると考えました。
タイトル:ヤングケアラーの「わたし」へ
中村 美和
パーソルチャレンジ株式会社
2021年に中途入社。グループ会社の業務を請け負う部署にて、派遣契約の契約書作成業務に従事。入社してまだ約半年のため、すべてが新しい経験となる中で奮闘中。
この企画では構想と文章を担当。
●絵本のストーリー
ヤングケアラーとは、家事や家族の世話・介護などを行っている、18歳未満の子どものことを言います。家族のために、仕事や友達と過ごす時間など多くのことを諦めていた主人公が、「はたらいて、笑おう。」という言葉に出会うことで、自分自身のことも大事にし、選択肢を持てることの重要性と希望を感じ始めるストーリーです。
●絵本に込めた想い
一番は、ヤングケアラーの当事者にこの絵本が届いてほしい、ということです。まだまだ「ヤングケアラー」という言葉自体が知られておらず、本人たちも声を上げることが難しいどころか、自分が当事者と自覚していないことも多いのが実態です。この絵本の主人公のようにさまざまなことを諦めて、閉じられた世界の中で生きていく人も多いはずです。
少しずつですが、今はそういった人たちを支援する環境が整い始め、社会の仕組みが注目されつつあるので、希望を捨てずにいてほしいと思っています。
私は「はたらいて、笑おう。」とは、ありのままの自分ではたらけることだと思っています。それが叶う世界があることを知ってほしいですね。
タイトル:えがおのタネ
菊池 愛梨
パーソルキャリア株式会社
2017年に新卒で入社。dodaの求人広告の営業を4年間担当し、その間、1年間の産育休を取得。2021年4月から人材紹介サービスの法人営業に異動し、IT業界のお客さまを担当。
この企画では構想を担当。
●絵本のストーリー
10歳の「ボク」は、学校で「お父さんとお母さんの仕事についてインタビューする」という宿題が出たことが憂鬱です。両親はいつも忙しくなかなか一緒に遊ぶ時間が取れないので、「仕事」に対してちょっとだけ恨み節なのです。しかし、実際に話を聞いてみると、今まで知らなかったはたらく世界が見えてきました。「ボク」が感じた仕事とは……?
●絵本に込めた想い
息子には「自分がはたらく姿を」自信を持って見せたいという想いが根底にあります。私はもともとはたらくことが好きだったので、取得できる育休期間よりも早い復職を選びました。それは、息子とより長い時間を過ごすよりも、仕事の時間を選んだということでもあります。だからこそ、楽しく自信を持ってはたらく背中を見せたいと思っています。いずれ息子に仕事の話をするときが来たら「こんな楽しく仕事しているよ」と伝えたいですし、もっと広い意味で「いろんな人がそれぞれの仕事にやりがいを感じているよ」という世界を見せてあげたいという想いを込めています。
コロナの流行とともに産育休に入ったこともあり、エッセンシャルワーカーへの感謝や、いい社会になってほしいという想いと向き合ったことも大きかったのかもしれません。
それぞれの絵本の巻末では、社員のインタビューの詳細と併せて、一緒に制作に携わっていただいた作家さんのコメントもご紹介しています。3者3様の「はたらいて、笑おう。」が実現された世界を覗いてみてください。