アドバイスを受けて、どう変化した?スペシャル1on1企画第二弾・後編。
ロングセラー『ヤフーの1on1』の著者として有名な本間浩輔さんによる、第2回目の1on1ミーティング。
※今回の企画は、適切な目標支援や成長支援ができるよう、11月4日(初回)と11月18日(2回目)で2週間の実践期間を挟んでの開催となっています。
本記事では、11月18日(水)18時から行われた、第2回目のオンライン1on1の様子を、一部抜粋してご紹介。
前回の内容も踏まえながら、この2週間で実践してきたことや、それ対する本間氏からのフィードバックなどをまとめています。まだ第1回の1on1をご覧になっていない方は、こちらからぜひご一読ください。
1人目:会社員(26歳・女性)(以下、A氏)
「自分の本心や夢は何か」を問い続けることが大切
~前回の内容~ ――今いる部署からより自分の関心が深い部署へ異動したい思いはあるのですが、家庭と両立できるか不安です。 そんな悩み持っていたA氏は、第1回目の1on1を通じて具体化した「自分の夢について、もう一度考えられている状態」を目指して、2週間の実践を行いました。 |
A氏:「いま行きたいと思っている部署で、本当に自分のやりたいことができるか」をこの2週間で調べながらいろいろ考えてみました。そもそもなぜその分野に興味を抱いたかなど根本的な部分を問い直せたので、いつか異動や転職をするときの選択肢が増えたように思います。
本間氏:表情も前回と比べて見るからに良くなっているから、何か良い答えを見つけられたのかな?
A氏:視野を広げたことで気持ちに余裕ができて、はたらき方を「この道しかない」と1つに絞ろうとしていたことに気が付きました。「限られた時間でどうやって満足度を上げるのか」、をいまは考えています。
あと前回の1on1で本間さんに言っていただいた「家族や子どもの話をするときほど、いい顔をしている」という言葉への納得感が大きくて、前よりもそういう自分を受け入れるようになった気がします。
本間氏:自分にとっての良いキャリアとは、どんなキャリアだと思いますか?
A氏:自分が自分のはたらき方に満足できている状態が、私にとっての良いキャリアの定義かと思います。ただ満足するのではなく、成長したいと思い続けることも大切にしたいです。
本間氏:すごく良いと思います。もし頑張りすぎちゃったときは、愚痴を言える仲間を見つけたり、ノートに書き起こしたりして無理をしすぎないでくださいね。
自分の職業観は最初の職場に左右されるから、ときには違う人と話すことも大切です。ただしあまり他人と比較し過ぎない方が良いよ。比較しても、ろくなことがないから。「自分の本心はどこにあるのか?」を見つめ直す方が重要だと思います。
A氏:「いつになったら自分は満足するのだろう」と、いまの自分の生き方だと思い続けるかもしれないですよね……。
本間氏:それに気付けているなら大丈夫だから、自分の気持ちに正直になってほしいな。自分の感覚を大切にこれからも頑張ってください。
2人目:社会人(57歳・女性)(以下、B氏)
話のゴール設定をすることで認識のギャップを埋められる
~前回の内容~ ――会社で実施している1on1がただの確認作業になっているので、どうにか改善したくて。 そんな悩みを抱いていた2人目の相談者は、第1回目の1on1でアドバイスを受けた「話のゴール(北極星)を伝えること」を参考にして、2週間の実践を行いました。 |
B氏:第1回目の本間さんとの1on1後、上司と1on1をする機会があったので、自分の話したいテーマを事前に伝えた上で臨みました。以前は反応をもらえなかったことに対しても上司から意見をいただき、お互いの認識のギャップを埋めることに繋がったと思います。
本間氏:良いことじゃないですか。1年後とか2年後、会社のどんな状況を思い浮かべますか?
B氏:20代などの若い社員たちが、活き活きと仕事している風景を思い浮かべました。すぐに結果が出るか分からないですが、人が成長する瞬間に立ち会えていたらすごくうれしいです。
本間氏:前回の1on1でも同じ印象を受けたけれど、そこに強い想いがあるのかもしれないね。ご自身の強みを活かして今後も実践してみてください。ほかの社員だけでなく、自分が活き活きとはたらくためには何が必要だと思いますか?
B氏:スピード感と質問力ですかね。後者に関しては、答えやすい質問をすることを心掛ける必要があると自覚しているのですが、実際は難しいです。自分の聞き方が、責めているように感じてしまう人もいるのかもしれません。
本間氏:そういう気持ちに気付けているのであれば、前進だと思いますよ。気を付けながら生きることで少しずつ変わっていくから、ぜひ質問の仕方を工夫することを意識してみてください。
僕が以前指導していたサッカーのコーチたちは、ボイスレコーダーで自分の言葉を録音していました。振り返ることですごく成長していたから、試してみると良いかもね。
B氏:そういえば「話し方が問い詰めているように聞こえる」と、若いころに先輩に言われたことを、いま、ふと思い出しました。最近でも「なぜですか?」と言ってしまう癖があるようで、それが詰問されているように聞こえてしまっているのかも。
本間氏:僕の先輩には「なぜ?」は未来にしか使わないという人がいたよ。僕もそれを意識することがいまでも多くあるので、参考にしてください。
2回の1on1を通じてとても真面目な方だと思ったので、話し方一つで大きく印象は変わると思います。これからもぜひ頑張ってほしい、応援しています。
3人目:社会人(35歳・男性)(以下、C氏)
コミュニケーションの取り方で信頼関係は大きく変わる
~前回の内容~ ――新しく異動になった部署でのマネジメントに悩んでいます。何を言っても反発してくる部下が数人いて、全体の会議もうまく進まなくて。 そんな悩みを抱いていた3人目の相談者は、第1回目の1on1で見出した「コミュニケーションの頻度と取り方を工夫する」という目標を胸に、2週間の実践を行いました。 |
C氏:前回の1on1の後に、部下3人と面談をする機会がありました。「分かっていることを、わざわざ言われるから腹が立つんだよ」という前回本間さんが何気なくおっしゃっていた言葉を面談時にふと思い出したので、それを意識しながらコミュニケーションの取り方を工夫してみました。
結果的として2人の部下とはうまくいったのですが、もう1人との1on1はまだ課題が残りました。2勝1敗といったところですかね。
本間氏:そうなんだ。特にうまくいった2人に関しては大成功だね。どういう話をしたの?
C氏:いつもは数字の話ばかりをしてしまっていたのですが、今回はあえてそれを止めてみました。悩んでいることがあるなら聞くし、なかったら雑談しようというスタンスで始めたら、愚痴やプライベートの話を多くしてくれたんです。いままでだと数字の話で終わっていたので、良い経験になりました。
本間氏:うまくいかなかったという1人についても聞きたいな。
C氏:以前の会議で決めたタスクができていなくて、「それすらできないのならほかに何ができるのか」と言ってしまったんです。できていないことは相手自身が一番分かっていたはずなのに……。言葉選びを意識していたはずなのに、相手が分かっていることをまた指摘してしまったと面談後に気付き、後悔しました。
本間氏:でもきっと相手への信頼関係があったからこその言葉ではあると思うし、終わった後に残っている後悔の感情こそが前進の証なんじゃないかな。
最後に、この2週間で得た学びを教えてほしいです。
C氏:表立って見えないだけで、人はそれぞれ全力でやっているということを学びました。全力が見えにくかったり、努力のベクトルが自分と違う人もいることを前提におきながら、一人ひとりと向き合っていこうと思います。
マネジャーになって6年以上経ったいま、なんとなく答えとしていたマネジメントにはまだまだ先があるということが分かったのもうれしかったです。
「こちらからまず信じる、多少エラーがあってもそれでも信じる」
そんな意識でこれからも頑張ります。
本間氏:すごく良い言葉だね。ぜひメモにとっておいてほしいです。人って良いときは問題ないんだけど、悪くなって落ち込んだときにその言葉に立ち返えれるように。
2週間でこんなに成長があったということは、今後ずっとこのペースで成長していけばまだまだ上に行けるということだから、ぜひ頑張ってほしいです。
最後に……
1回目の1on1で得た学びを2週間実践した結果、相談者それぞれが前進をしている様子がうかがえました。
全2回に及ぶ1on1ミーティングを終えた参加者から、以下のように感想をいただき「#はた笑1on1」第2弾は幕を閉じました。
・第三者の視点から意見をいただける機会が、とても貴重でした。
・まだまだ迷いながらではありますが、踏み出す勇気が出ました。
・本音で話しやすい雰囲気をつくっていただいたので、悩みを打ち明けられました。
過去の様子
第一弾は、モーリー・ロバートソン氏をゲストにお迎えし、実施しました。(詳しくはこちら)
第二弾は、本間 浩輔氏をゲストにお迎えし、実施しました。(【前半】詳しくはこちら)