ブランド戦略担当が語る!パーソルの新CM「ニッポンの人事部長」はこうして生まれた

4月1日よりスタートした、パーソルグループの新CM「ニッポンの人事部長 PERSOL」。すでにご覧いただけましたでしょうか?
このCMは、パーソルの想いやブランド戦略のもと、さまざまな過程を経て制作されました。今回は、中心となって本CMの制作を担当したパーソルホールディングス グループブランド戦略部の櫻井 直樹に、パーソルが目指す世界観や「ニッポンの人事部長」の狙い、また、撮影の裏話やCMの見どころについて聞きました。

 

目次

パーソルブランドの誕生からこれまで

―― パーソルブランドが誕生してから、今年で3年を迎えます。これまでのプロモーションを通じて、どのような成果が挙がっているのでしょうか。

櫻井 ¦ 「PERSOL(パーソル)」は、2016年7月に誕生しました。新しいブランドですので、まずは世の中に私たちの存在を知っていただくという所からのスタートでした。そんな中で、当時のプロモーションでは、世界的エンジニアのスティーブ・ウォズニアック氏や、87歳(2019年4月時点)の現役モデルであるカルメン・デロリフィチェ氏を起用して「はたらいて、笑おう。」というスローガンを大きく打ち出すなど、パーソルという名前とともに、私たちの思想や理念を一人でも多くの方に知っていただくことを目指してきました。思想や理念は、人にたとえるなら「パーソルってこんな考えの人だよね」というような「ブランドの人柄や性格」といえます。
ブランド誕生から3年弱が経過し、いま、約4人に1人が「はたらいて、笑おう。」を耳にしたことがあると仰っていただけるまでになりました(※1)。パーソルのことは知らなくても、このスローガンはご存知だという方も多いです。

―― ブランド名以上にスローガンや思想を前面的に打ち出すパーソルのプロモーションは、人材サービスを提供する会社の中でも少し異色でしたよね。

櫻井 ¦ 私は中途採用で現職に入社しているのですが、入社前にいち視聴者として以前のパーソルのCMを見たとき、確かにそのような印象を抱きました。サービス名の訴求に留まらず、新しい価値を世の中に伝えていくんだという、会社としての意気込みを感じましたね。

―― 一方で、ブランド戦略上はどのような課題があったのですか。

櫻井 ¦ 「はたらいて、笑おう。」は知っていただいている一方、「パーソルって何の会社で、どんなサービスを提供しているのか?」という具体的な部分までは、なかなかお伝えしきれていないという課題がありました。
また、「はたらいて、笑おう。」も、前向きなメッセージとして受け取っていただけることは多いのですが、ときにはそうでない印象を持たれてしまうこともあります。この言葉は「いまは辛いけど、もっと笑おうよ」というように、現状を否定したりするものではありません。フレーズが持つ意味合いを、もっと純粋に、明るくポジティブに捉えていただきたいという想いもありました。

表現方法は変わっても、目指すものは変わらない

―― そのような成果や課題を踏まえ、今回の「ニッポンの人事部長 PERSOL」で実現したかったことは何ですか。

櫻井 ¦ まずは、はたらくことをポジティブに表現したいということ。そして、先に述べた「パーソルって何をしている会社で、どんなサービスを提供しているのか?」というような私たちパーソルの姿を、より深く知っていただくことを目指しました。
また、グループとしての一体感をお伝えすることも、大きな目的の一つでした。私たちが「テンプスタッフ」、「an」、「doda」をはじめとする多様なサービスブランドや、国内外で70社を超える企業が一体となって幅広い価値提供を行えることは、パーソルの姿を語るうえで不可欠な要素だからです。

新CM「グループ篇」の一コマ。オフィスビル全体をパーソルに見立て、サービスや企業群の多様さを表現している

―― これまでのCMから、雰囲気が大きく変わったように感じます。

櫻井 ¦ パーソルブランドが誕生した当初は、思想や理念といった「ブランドの人柄や性格」をお伝えしていくという狙いがありました。それから約3年が経ち、ブランド戦略上の課題も変わっています。ですので、その変化に合わせて、課題解決に向けたアプローチや表現の仕方も変えていく必要があると考えています。今回のCMでは、従来そこまで強く訴求してこなかったパーソルの実体、つまり、何をしている会社でどんなサービスを提供してくれるのかを、端的に分かりやすく表現するように意識しました。

―― 「ニッポンの人事部長」というフレーズで、それを表現したのですね。

櫻井 ¦ はい。CMでは、15秒という短い時間尺の中でメッセージを伝える必要があります。私たちが 「はたらくのぜんぶ」を支える存在であることを表現するうえで、「ニッポンの人事部長」は、端的で分かりやすく、最適なフレーズでした。このフレーズには、パーソルの実体を伝えることと、「はたらいて、笑おう。」を実現していくためにすべてのはたらく人を支えていきたいという想いを込めています。

内村さんだからこそ生まれる説得力。ポーズや小道具にもさまざまなこだわりが

―― CMには、内村 光良さんをメッセンジャーとして起用されました。

櫻井 ¦ はい。パーソルのサービスは、職種や年齢、性別を問わず、さまざまな方に向けて展開されています。ですので、それを伝えるCMも、幅広い方々に楽しんでいただけるものにしたかったんです。その点、内村さんは、国民的番組である紅白歌合戦の総合司会を2年連続で務められるなど、老若男女に愛される存在です。
そして、何より内村さんは「はたらいて、笑おう。」を自ら体現されている方でした。コメディアン、役者、映画監督…、いまは小説も執筆されていらっしゃいますよね。幅広い分野で活躍され、前向きに「はたらいて、笑おう。」を体現されていることは、私たちにとって非常に大きな意味があったんです。内村さんだからこそ、パーソルが発信するメッセージに説得力が生まれてきます。

―― 「理想の上司」アンケート(※2)でも、3年連続で一位に輝かれていますよね。

櫻井 ¦ そうですね。リーダーシップがあり、かつ、私たちが大切にしたい安心感や信頼感もあり、パーソルが大切にしたいことをお持ちの方だと思います。CMの撮影時も、スタッフの方一人ひとりに感謝を伝えられていたのが印象に残っています。

―― ところで、今回のCMでは、内村さんや出演者の方が一斉にポージングするシーンが特徴的です。

櫻井 ¦ ポージングは、多数のCMやミュージックビデオなどの振り付けを手掛ける、振付稼業air:manさんにご担当いただきました。実は、CMを企画した当初は、ポージングを入れる予定はなかったんですよ。視聴者を惹きつける演出によって印象をより強くするため、後から取り入れることになりました。振り付けの一つひとつも、ジャケットを直したりネクタイを締めたりと、はたらくことを連想するポーズを上手につくっていただきました。100人以上が一斉にポージングするというのは、CMで表現したかったグループの一体感を演出するという狙いもあります。
撮影の際、出演者の方は当日朝6時からポージングの練習をしてくださったんです!内村さんも「100人以上で同じ動きをするのは運動会以来だね(笑)」とお話されていました。

新CM「宣言篇」の絵コンテ。企画段階から、ポージングが詳細に描かれている

―― オフィス内の小道具にも、何か仕掛けはありますか。

櫻井 ¦ はい。たとえば、「宣言篇」では、オフィスではたらく人が持っている文房具や服装などに、「テンプスタッフ」ロゴのピンク色、「an」ロゴの赤色、「doda」ロゴの青色が反映されています。すごく細かいですが、パソコンのモニタに映り込む資料にも色が指定されています。なかなか見つけられないかもしれませんが(笑)、ぜひチェックしてみてほしいですね。
また、小道具だけでなく、出演いただいているすべての方の細かな演技にもぜひご注目ください。「宣言篇」で内村さんの横にいらっしゃるメールボーイ役の方が、とっても良い表情をされています!(笑)

一緒にはたらいて笑える世界をつくっていきたい

―― 改めて、今回のCMを通じてどんなことを伝えていきたいですか。

櫻井 ¦ 業界の中でも、企業としての想いやスローガンを大々的に訴求していく企業って、そこまで多くはないと思うんです。パーソルがそれをすることは、「はたらくのぜんぶ」に向き合っていくんだという決意であり、「はたらいて、笑おう。」の実現に向けた覚悟の表れでもあります。
そして、それだけではなく、私たちがどんな価値やサービスをお客さまに提供できるのかを知っていただくことによって、パーソルが「ニッポンの人事部長」としてお客さまから選んでいただける存在になりたいと思っています。世の中の人や組織は、日々、いろいろな課題や壁に当たりながら前に進んでいます。その一つひとつを解決しながら、お客さまとパーソルが、一緒にはたらいて笑える世界をつくっていけたらと思います。

―― ありがとうございました。

(※1) 社内調査調べ  (※2) 明治安田生命調べ


【プロフィール】
櫻井 直樹/パーソルホールディングス株式会社 グループブランド戦略部所属

出版社・大手学習塾でマーケティング業務に従事した後、現職に入社。パーソルグループのプロモーション戦略の策定や広告宣伝を担当。

「ニッポンの人事部長 PERSOL」特設サイト はこちらからご覧いただけます。

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