ダブルワークする?しない?正社員の10人に1人が副業をしていることが調査から判明

副業をする人、増加中!
副業による平均時給は1,652.1円で、男性より女性の方が意欲が高い。

人と組織に関する調査・研究を行う株式会社パーソル総合研究所は、2018年の厚生労働省の副業・兼業の普及促進を図る動き(「副業・兼業の促進に関するガイドライン」や副業関連のニュースなど)を踏まえ、個人の意識と実態を知るべく、自主調査として「副業の実態・意識調査」を実施しました。

<主な調査結果トピック>

●正社員で現在副業している人は10.9%。現在、副業を行っていないが、今後副業したい人は41.0%。
●副業者の割合が高い職種別ランキングは、1位「経営・経営企画」(21.2%)、2位「人事・教育」(18.1%)、3位「法務」(15.1%)。
●1週間あたりの副業にかける時間は平均10.32時間。本業と併せた1週間の総労働時間が70時間を超える層も1割程度いることが判明。
●副業による本業への影響として、会社へのロイヤリティや本業のパフォーマンスが「高まった」が、「低下した」を上回る結果に。
●副業による平均月収は6.82万円、副業による平均時給は1,652.1円。

目次

正社員で現在副業している人は10.9%。現在、副業を行っていないが、今後副業したい人は41.0%。

正社員で現在副業している人は約10人に1人(図1)おり、そのうち副業をはじめたタイミングの調査では6か月から1年前が21.9%と最多でした。これは、厚生労働省の副業関連のニュースなどにより、この1年間、副業が加速したと考えられます。
また、現在は副業を行っていないが、今後副業したい人は41.0%おり(図2)、年代・性別でみると、すべての年代で女性の意欲の方が高く、年齢が若いほど副業意向が高いことが判明しました(図3)。

 

副業者の割合が高い職種別ランキングは、1位「経営・経営企画」(21.2%)、2位「人事・教育」(18.1%)、3位「法務」(15.1%)。

副業者の職種別ランキングでは、1位から3位、そして5位にも間接部門が入りました(図4)。

 

1週間あたりの副業にかける時間は平均10.32時間。本業と併せた1週間の総労働時間が70時間を超える層も1割程度いることが判明。

1週間あたりの副業にかける時間(図5)を本業と併せると、70時間を超える層が10%以上いることが分かりました(図6)。70時間を週5日勤務に換算すると、1日14時間労働となります。
副業のデメリットとしては、「過重労働となり体調を崩した」(13.5%)、「過重労働となり本業に支障をきたした」(13.0%)などがあげられており、副業をする際は、過重労働とならないようにセルフマネジメントを行うことが大切だといえます。

 

副業による本業への影響として、会社へのロイヤリティや本業のパフォーマンスが「高まった」が、「低下した」を上回る結果に。

副業をすることで本業へのモチベーションが向上した人は23.1%。本業の仕事のやり方についても、「既存のやり方にこだわらず、良いと思ったやり方で仕事をするようになった」という人が43.5%と、副業が本業に好影響を与えていることが明らかになりました(図7)。

 

副業による平均月収は6.82万円、副業による平均時給は1,652.1円。

厚生労働省の毎月勤労統計調査2018年11月確報で公表されている、一般労働者(常用労働者のうちパートタイム労働者除く)の所定外労働の平均時給を算出したところ、時給は1,906円となりました(図8)。参考数値ではあるものの、時給でみると本業で得る残業代よりも、副業の方が安いことが推察されます。
また、副業の目的のトップは収入補填。20~30代男性は自己実現の目的が高いことが分かりました。

 

調査概要

●調査名称:パーソル総合研究所「副業の実態・意識調査」
●調査内容:副業に対する個人の意識と実態を把握する。副業を解禁すべきかの判断材料になる情報を明らかにする。
●調査手法:インターネット調査モニターを用いたインターネット定量調査
●調査時期:2018年10月26から30日
●調査対象:スクリーニング対象者 勤務先企業規模10人以上 正社員20から59歳、男女n=13958 ※正社員性年代別構成比に合わせたウェイトバック集計実施
本調査対象者①副業者(過去3年以内に副業経験あり)n=1082 ②副業意向者(現在副業をしていない)n=1238 ③非副業意向者(現在副業をしていない)n=1249
●実施主体:株式会社パーソル総合研究所

調査結果の詳細は、ニュースリリースからご覧いただけます。
※副業に関する調査は、企業の実態把握を行った「企業編」もあり、こちらからご覧いただけます。

パーソル総合研究所は、本研究を含め、学問的に裏打ちされた数万人規模の調査・ヒアリングなど、定量・定性的な分析から社会問題を多角的に探り、働く人と組織の持続的な成長をサポートすることで「はたらいて、笑おう。」の実現を目指していきます。

このページをシェアする
目次
閉じる