「#これ誰にお礼言ったらいいですか」プロジェクト~今年はメディアプラットフォーム「note」とコラボ~“名前も知らない誰かの仕事”に対する「感謝」を集める

パーソルグループは、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」の実現に向け、一人ひとりの可能性を広げ、はたらく自由を広げることで、個人と社会の幸せを広げる「“はたらくWell-being”創造カンパニー」となることを目指しています。
その一環として、2023年から取り組んでいるのが「#これ誰にお礼言ったらいいですか」プロジェクトです。

ピンチを救ってくれたサービスや心を動かされた仕事など、感謝・称賛したい「名仕事エピソード」をX(旧Twitter)にハッシュタグ「#これ誰にお礼言ったらいいですか」で投稿すると、その名仕事をしたご本人を見つけ出し、投稿してくれた方の代わりにパーソルがお礼を届けるというものです。
実際に届けてきた「お礼」の様子はこちら

2025年の「#これ誰にお礼言ったらいいですか」は、メディアプラットフォームであるnoteと共同で、投稿コンテスト「#これ誰にお礼言ったらいいですか」を開催。7月11日から8月10日までに投稿されたコンテンツの中から、優秀作品を選び、11月下旬に「パーソル賞」として表彰することを予定しています。
今回は、企画の担当者であるパーソルホールディングス グループコミュニケーション本部 はたらくWell-being推進室の鈴木 崇之に、「#これ誰にお礼言ったらいいですか」を始めた目的や今年の施策、今後の展望について聞きました。

——「#これ誰にお礼言ったらいいですか」について改めて教えてください

「#これ誰にお礼言ったらいいですか」は、世の中にあふれる「名前も知らない誰かの仕事」に対する、行き場のない「ありがとう」を集め、讃えて、そしてちゃんと届ける——そんな新しい文化をつくる取り組みです。
皆さんも日々の暮らしや仕事の中で、「ありがとう」という気持ちが自然と湧くような場面があるかと思います。たとえば、「あの日のあの店員さんの神対応」や「思わず涙が出た、あのバスの運転手さんの一言」。中には「素晴らしい仕事なのだけど、誰がやったのか分からない」といったものもあると思います。このプロジェクトでは、そんな行き場のないお礼を、SNS上で「#これ誰にお礼言ったらいいですか」というハッシュタグとともに募集し、寄せられたエピソードをもとに、可能な限り本人や関係者を探し、実際に感謝の言葉を届けるアクションへとつなげています。ただ「いい話を集めて終わり」ではなく、届けることにこだわっているのが、このプロジェクトの特徴です。感謝の気持ちが可視化され、本人に届いた瞬間、その場にいるすべての人があたたかな気持ちになれる——そんな体験が、“はたらく”ことに対するポジティブな感情、つまり“はたらくWell-being”につながっていくと考えています。

——この企画を立ち上げたきっかけや背景を教えてください

この企画が生まれたきっかけは、ある社員が社内で共有してくれたエピソードでした。
「親切にしてもらったのに、名前も分からず、お礼を伝えることができなかった」——その素朴なもどかしさの声から、「たとえ名前が分からなくても、感謝を届ける方法はないだろうか?」という問いが立ち上がり、「#これ誰にお礼言ったらいいですか」という企画の原点となりました。
その想いを企画として形にするにあたって、私たちの背中を押したのは、はたらくことをめぐる社会的な課題です。日本では、はたらくことによって幸福感を感じている人の割合が国際的に見ても低く、はたらくことにポジティブな感情を持ちにくい人が多い現状があります。(※)そんな中で、何か前向きなきっかけを提供できないかと考えたとき、私たちが注目したのが「感謝」の力でした。
誰かに感謝される体験、そして誰かに感謝を伝える体験は、「自分の仕事が誰かの役に立っている」という実感につながります。それははたらくことへの誇りや意味を感じる大切な一歩であり、まさに“はたらくWell-being”の本質でもあります。勤労感謝の日をきっかけに、目に見えにくい感謝の気持ちをすくい上げて、きちんと“届ける”ことに挑戦する——そんな想いから始まったプロジェクトです。

——一昨年、昨年とこれまでどのような活動をしてきましたか?

このプロジェクトは、2023年に始動しました。初年度は、勤労感謝の日に合わせて日本経済新聞に広告を掲出し、SNSを中心に「#これ誰にお礼言ったらいいですか」のハッシュタグで、日常の中の“感謝の声”を集めるというスタートでした。個人の小さな「ありがとう」が少しずつ集まり、共感の輪が静かに広がっていくのを感じた年でもあります。
翌年の2024年は、活動の幅を広げ、2つの大きなアクションを展開しました。一つは、夏に実施した参加型企画「迷子のお礼預かり所」。これは、名前も知らない誰かの仕事に対する“ありがとう”をカードに書いて預けると、感謝=“お礼”にちなんだドリンク(例:カフェオレイ=お礼)と交換できるという試みです。パーソル本社だけでなく、東京都・御岳山などの公共空間や協力企業のスペースを活用して開催しました。

もう一つは、勤労感謝の日に実施したパビリオン「#これ誰にお礼言ったらいいですか展」。SNSやカフェイベントなどで集まった“行き場のなかった感謝”の声を、一つの空間に集めて展示したもので、エピソードに加えて、感謝の言葉の相手に実際にたどり着いた記録や、届けた様子も紹介しました。

——これまでの企画で苦労した点は?

もっとも苦労したのは、「感謝の気持ちを届ける」プロセスです。たとえば「いつも街をきれいにしてくれているボランティアの方」や「名前も知らないあのときの店員さん」など、感謝の対象が匿名だったり、詳細な情報がなかったりするケースが多く、届け先を探し出すまでに時間も労力もかかります。さらに、ようやく本人と思われる方が見つかったとしても、いきなりのご連絡に戸惑われたり、不審に思われたりすることもあります。お会いするまでのスケジュール調整や場所の確保など、調整ごとも多く、毎回が小さなプロジェクトのようです。
それでも、実際に感謝の言葉をお届けできた際には、先方からも「ありがとう」と感謝の言葉をいただくことが多く、その瞬間は何ものにも代えがたい喜びがあります。大変な面も多いですが、だからこそ「また今年もやりたい」と思える、企画を続ける原動力になっています。

——これまで集めたお礼で印象に残っていることはなんですか?

どれも本当に心に残るものばかりで一つに絞るのは難しいのですが、特に印象的だったのは、あるダイバーの方から届いた“お礼”のエピソードです。その方は趣味で海に潜っていて、何度も潜る中で、海の中の環境が少しずつ変わってきていることを実感したそうです。そんな変化の中でも、美しい景色が守られているのは、海の環境保全に取り組んでいる人たちがいるからこそ。ふだん表に出ることのない、そうした人たちの仕事や努力に対して、心からの感謝の言葉が綴られていました。
見えないところで誰かがはたらいているからこそ、私たちは安心して自然に触れたり、心動かされる景色を楽しんだりできている——そんな視点に触れて、改めて「ありがとう」の奥行きを感じました。

——今年はどのようなことを実施する予定でしょうか?

今年は、メディアプラットフォームの「note」とコラボし、2025年7月11日から8月10日にかけて、「#これ誰にお礼言ったらいいですか」にまつわるエピソードを募集しました。テーマに沿って、マンガやエッセイ、イラスト、小説など、形式を問わず幅広いクリエイティブ作品が寄せられ、多くの“ありがとう”が物語として形になっています。言葉だけでは伝えきれない想いや感動をクリエイティブの力で届ける新しい挑戦です。作品の持つ豊かで繊細な力を通じて、このプロジェクトが目指す「感謝を届けることによって“はたらくWell-being”」につなげるというパーソルの価値観が、さらに多くの人に広がっていくことを願っています。

投稿されたコンテンツの中から、特に印象的な10作品については11月下旬に「パーソル賞」として表彰し、受賞者には謝礼を贈呈する予定です。また、希望する方には、作品に込めた感謝の気持ちを、伝えたい相手(人・企業・団体など)に事務局が代わりに直接届けに行く特別な機会を用意します。その様子はパーソル公式noteにてレポート記事として公開します。

——今後の展望や目標について教えてください。

はたらく中で誰かに感謝されたり、誰かの仕事に救われたりする体験は、実は多くの人に共通しています。その「実感」を入り口に、“はたらくWell-being”の価値や意義を知る人を増やしていけたらと思っています。感謝を「見える化」し届けることで、「自分の仕事も誰かの役に立っているんだ」と実感してもらえる場をこれからも増やしていきたいです。
秋にはこのプロジェクトをより多くの方に届けるための大規模なプロモーションも準備中です。これまで以上に多様な場所や人を巻き込みながら、感謝が連鎖する社会を目指していきたいと考えています。

パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
さまざまな事業・サービスを通じて、はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を創造します。

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