未来に向けて新たな価値を生みだすエンジニアに!社員育成プログラム「X-Tech Lab.」

パーソルグループのTechnology SBU(※1)では、顧客や社会の課題解決、生産性向上に取り組める人材の育成を目指したプログラム「X-Tech Lab.(クロステックラボ)」を実施しています。本記事ではエンジニア育成に寄せる想いをご紹介します。
(※1)SBU:戦略ビジネスユニット

X-Tech Lab.とは
2022年より開始した、未来の事業をリードする中堅社員の育成を目的とした取り組みです。パーソルグループ内外の他者との連携により得られる技術力や視点で、自身のスキルアップだけでなく、さまざまな課題解決の実現をリードできるようになることや、新規事業の創出だけでなく、新たな価値を生み出す力や視点を持ち、顧客に伴走できる人材となってもらうことを目指しています。
その一環として実施しているDeep Dive Camp (ディープダイブキャンプ、以下、DDC)は、異なる領域に携わる社員同士がチームとなり、“創出”をテーマに取り組むプログラムとして実施しています。

DDCの全体像

プログラムの参加者(自薦・推薦)は、ハード・ソフトの設計開発、セキュリティ、IT、営業、人事・採用など職種はさまざま。「会社や部門」「技術領域」の壁を取り払って組まれたチームとなり、約4カ月の間、ワークショップやメンタリングを経てプロダクトアイデアを検討します。最後はチームのアイデアを役員へプレゼン。そこで可能性を見出されたプロジェクトは事業計画立案やPoC(概念実証)へ進むなど、役員伴走の元、より具体の検討段階へ移行します。このようにDDCは、エンジニアをはじめとする社員が課題と解決に向き合う姿勢を支援するプログラムとなっています。

目次

DDCキックオフの様子

2024年度DDCのキックオフイベントは8月に開催。会場となったパーソルクロステクノロジー株式会社の名古屋オフィスには、DDC参加メンバーとなる社員がSBU内のパーソルクロステクノロジーから16名、パーソルAVCテクノロジーから6名集まりました。

当日は「これから参加するプログラムに向けて、ワクワクしている状態」、そして「広い視野・視座を感じることで、アイディエーションのためのきっかけがつくれている状態」をゴールに置き、パネルディスカッションやワークショップを実施。エンジニアの成長支援やプロダクトマネージメント領域のオピニオンリーダーである及川 卓也氏(Tably株式会社 代表取締役)は、プログラムのスタート当初から、実施のご支援、講師でのご参加と、ご参画いただきました。

講師として登壇した及川氏

オープニング後、及川氏の「ソフトウェアファースト」をテーマにした講演を実施。「ソフトウェアファースト」というと、IT・ソフトウェア領域だけの話に取られがちですが、日本が世界に誇る製造業、中でも自動車産業は「100年に1度の変革期」とも呼ばれています。これまでハードを中心に設計されていた自動車の価値が、ソフトウェアによって定義され、実現される時代に突入していることを認識し、事業やサービス開発を進めることの重要性を示します。及川氏は「技術者は何かを生み出すこと、いわゆるアウトプットはもちろん大事だが、それだけがゴールになりがち。アウトプットしたものが使われることで課題が解決されたり、新たな体験を提供できたり、どんな価値を生み出せるのか、アウトカムを考えることが大事である」と語りました。

及川氏の講演に真剣に耳を傾ける社員

講演後には及川氏、Technology SBU長の正木 慎二、パーソルクロステクノロジーのものづくり領域の執行役員 新井 康之の3名によるパネルディスカッションが行われました。
「ハードとソフトの融合への期待値」やDDCの設定テーマでもある「創出」への捉え方についても、意見交換がされました。

左から、及川氏、新井、正木

及川氏:たとえばものづくりが好きで人の役に立つことを追求しすぎると、どんなに良いサービスであっても収益化がうまくいかなかったり、逆に売上や利益だけを重視すると顧客には使いづらく価値を感じてもらえなかったりする。そうなると、ものづくりの担い手としてはかなしいことですよね。難しいことかもしれませんが、顧客価値と事業価値のどちらか一方を重視するのではなく、両方の視点を持ちバランスを保つことを大事にしてほしいです。

正木:私はよく「エンジニアのために」という言葉を使っていますが、社内に思考が向きすぎているのではないかと言われたこともあります。ですが、お客さまに価値を届けるのはエンジニアであり、そのエンジニアが満足してはたらくことができなければ、そもそも価値は生み出せません。常にお客さまの期待を越える価値をつくり続けられること、難しいからこそ、できないからこそ、チャレンジしてほしいと思います。

新井:開発においてはマニュアルがあったり、手順が決められていたり、そういった基準を示されているものが多いと思います。ですが進めていく中で、「今、この状況では適切なのか」という思考を大事にしてほしいと思います。そうした疑う視点を常に持つことが、新しいアイデアを思い付いたり、解決の糸口を見つけたり、開発の次なる一歩につながるはずです。

パネルディスカッションのあとにはワークショップを実施。パネルディスカッションを通じて感じたことや学んだことなどを、チームでシェアし、チャレンジしたい事業アイデアを議論しました。

ワークショップの模様
ワークショップの模様

最初は緊張していた社員同士も、外部企業からメンターとして参画していただいている方々や、異領域の仲間と意見交換するうちに打ち解け合い、プログラムへの意識が高まる貴重な時間となったようです。

エンジニア育成への想い

DDCに講師として伴走する及川氏と、プログラムの運営支援に携わるパーソルの2者(パーソルイノベーション株式会社 片岡 秀夫、パーソルクロステクノロジー株式会社 中根 学)に、寄せる想いをうかがいました。


及川 卓也氏(Tably 代表取締役)

パーソルは、人材ビジネスの大手企業という認識でしたが、コロナ禍でもほかの領域に挑戦する多様性と先進性に感銘を受け、「ITの手の内化」を実行する姿勢を高く評価しています。特に「はたらいて、笑おう。」というビジョンには強く共感しました。仕事を楽しむことを推奨する姿勢は、日本的な感覚からすると新鮮です。

企業のDX推進を支援する、パーソルイノベーション(TECH PLAY)の方々は皆さん大変優秀ですし、パーソルクロステクノロジーの皆さんの、日本の製造業支援や自社サービス開発に積極的に取り組む姿勢も素晴らしい。トップがエンジニア育成に力を注ぎ、挑戦を恐れず前進する姿勢にリスペクトしています。パーソルクロステクノロジーが牽引するTechnology SBUはエンジニア成長支援と業界へのポジティブな影響を与えています。

私自身が、日本企業は今後プロダクト企業を目指すべきだという強い信念を持っているので、プロダクト開発力を高めるための取り組みや、それを支える人材育成を進めていることは、非常に意義があり、力強い一歩だと感じています。パーソルクロステクノロジーのこの動きには深く共感し、心から応援したいと思います。特に、日本が誇るものづくりの強みを、ソフトウェアとの融合によってさらに高めようとする方針には、私自身も大いに賛同しています。今の日本が進むべき方向性は、単にハードウェアに固執することではなく、またソフトウェアへの単純な移行でもありません。むしろ、ハードウェアとソフトウェアを掛け合わせることで、新たな価値を生み出していくことが重要です。これは、日本が推進するソサエティ5.0のビジョン、つまり工業化社会と情報化社会の次に、サイバーとフィジカルの融合を実現するという目標とも一致しています。

今後、日本企業がプロダクト志向を強め、世界で競争力を持つためには、ハードとソフトの融合が欠かせません。パーソルのプロダクト開発力を高める取り組みや、仕組みづくりは、他社にとっても羨むべき存在でしょう。トップの人材育成やプロダクト創出へのコミットメントが強固なので、社員のモチベーションの高さも際立っています。今後はさらに挑戦を続け、変化を起こしていくことが重要です。パーソルのTechnology SBUが進めるこの取り組みには、大きな期待を寄せており、今後もその進化を応援していきたいと思っています。


片岡 秀夫(パーソルイノベーション TECH PLAY事業責任者)

TECH PLAY(※2)ではエンジニアへ強い尊敬の気持ちとともに、エンジニアが増えて活躍できる企業が多くなることが大事だと考えています。Technology SBUにはさまざまな技術者がいて、幅広い技術領域をカバーし、新しい世界観をつくり出そうとしている点は、TECH PLAYとしても強く共感しています。
創出は決めたことをそのまま実現するのでなく、常に“仮説検証”し、進んでは戻っての繰り返し。そのプロセスが定着し、かつその“仮説検証”を高速で回すには、アウトプットやフィードバックが大事です。そのためプログラムでは、実績のあるスタートアップCxOや優秀な外部メンターに伴走してもらい、成果創出を目指せるような設計にしているのも特徴です。今年でプログラムは3期目。事業検討のフェーズにチャレンジ中のチームもありますが、今後もTechnology SBUの取り組みを応援し、一緒に盛り立てていきます。

(※2)パーソルイノベーションが運営し、現在27万人の会員が参画するITイベント情報サービスで、イベントの企画立案や企業のDX推進組織の構築支援などを実施。


中根 学(パーソルクロステクノロジー)

日本の今後の大きな課題である人材不足に対し、テクノロジーの力で生産性を向上し、人材不足を解消して、社会課題を解決していく。そんな役目を担っていくTechnology SBUでありたいと思います。これからは、個の技術力の向上はもちろんですが、幅広い視点や技術の融合が必要。育成プログラムを通じて、「既存の事業を一層活かす、未来につながるプロダクト」や、「新たな価値創出ができる人材育成」に向き合い、社会や顧客の課題を一緒に解決していきたいと考えています。


パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
さまざまな事業・サービスを通じて、はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を創造します。

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