いま目の前にある社会問題に、わたしたちパーソルは何ができるのか。パーソルグループ「最高のリーダー化プログラム」

パーソルホールディングス株式会社では、パーソルグループ「最高のリーダー化プログラム」として、「はたらく」さまざまな社会問題の解決に向けて社会イノベーション研修を実施しています。本研修は、上級管理職者を対象に、社会問題の解決を目指し、ソーシャルインパクトを与える施策を考案することで、新たな社会価値を創造する実践型研修です。参加者の声とともに、本研修内容をご紹介します。

目次

「最高のリーダー化プログラム」(管理職3.0研修)とは?

社員・派遣スタッフの“はたらくWell-Being”の体現に向けた人事戦略に関する取り組みの一つです。多様な人材が活躍する基盤を構築するために全管理職が「最高のリーダー」として力を発揮できるための多様な支援施策を実施しています。

2023年度より、グループの上級管理職者に共通して求められるコンピテンシーを明文化した「パーソルリーダーシップコンピテンシー」を基にしたビジネスリーダーシップ(Do)とピープルリーダーシップ(Be)の両方を磨く「管理職3.0研修」を役職者ごとに年に1回開始しています。2024年度の研修は、「はたらく」社会問題の暗闇に新たな灯りをともすがテーマ。「パーソルに何ができるか?」を主題に、ソーシャルインパクトの考案を通じて、新たな社会価値創造に挑戦する実践型研修を実施しました。「はたらく」にまつわる多様な社会問題の最前線に立ち向かっている社会起業家や各団体の実践者たちと手を取り合い、問題解決に一石を投じるための「ソーシャルインパクトの考案」を通じ新たな社会価値創造に挑戦することと、社会問題に立ち向かう自身の拠り所となる志を育むことを目的にしています。パーソルグループのSBU/FU(※1)から全8名の管理職が参加し、2泊3日の実地研修から始まり、中間発表会、最終発表会までのトータル4カ月間の実践型プログラムとなっています。

いま現実にある社会問題に、私たちは何ができるのか

実地研修では、社会問題の最前線の現場への訪問を行い、パーソルグループとしてまだ十分に手を差し伸べることができていない課題のリアルを目の当たりにしました。この実践者との対話や交流を通じて「パーソルとして何ができるのか」、リーダーとして社会問題に挑むことや解決に向き合うことの意義についての対話へとつなげます。2024年度のプログラムでは、多くの実践団体の皆さんや社会起業家の方にご協力をいただきました。今回、本研修内でファシリテーターとしてご協力をいただいたアリストテレスの窓 代表、JICA(独立行政法人国際協力機構)茨城県OV会 会長の石森 和麿氏はこう振り返ります。

アリストテレスの窓 代表
JICA(独立行政法人国際協力機構)茨城県 OV会 会長
石森 和麿氏

研修で最も印象的だったのはプログラム内にある「哲学対話」でのこと。参加者一人ひとりが主体的であり、自己開示を苦としない空間がとても重要となります。中には、それがなかなかできずに苦労する方もいらっしゃるのですが、パーソルの皆さんはどなたも新しい物事を吸収しようという主体性があり、最初から全力で自己開示をされていたのにとても驚きました。だからこそ、それぞれが社会問題を自分事として捉えることに集中できたのだと感じています。社会問題は、事業性の低さであったり、法律上の壁があったりと、一筋縄ではいかないことだらけです。そこに向き合うためには、自分の心からの「やりたい」という気持ちがなければ実行できません。参加者の皆さんがそれをしっかりと理解し、自身の「やりたい」に向き合うべく、対話を通して自分の心に深く入り込もうとされていた姿がとても心に残っています。このメンバーなら、本当に世の中が明るくなるようなプロジェクトが世に出る!そう確信したのが、最終発表会でのプレゼンテーションでした。

研修のはじめは、参加者の方から「仲間と語りながら自分の心と向き合うという時間があまり持てていない」というコメントや、「求められる答えを予想し、そこに合わせて事業をつくろうとしてしまう」という気付きの声もありました。しかし、研修が終わるころには、それぞれの心からの言葉で事業を語るようになっていた皆さんの姿がとても印象的でした。

実地研修でのひとこま

今回、複数の社会課題の現場に飛び込み、さらに一人ひとりの自身への探究を深く行いました。さまざまな課題に真正面から向き合う皆さんの思いが、それぞれの意識を変えていったように感じています。最終発表会の場では、パーソルホールディングス代表取締役社長 CEOの和田さんを交えてパーソルの未来にまで話が広がり、全員が会社や世の中を自分事として捉えているのだと感じ、とてもワクワクしました。自分軸をしっかり持っている人が集まる会社は本当に魅力的で、未来を明るくする力があるのだと強く感じています。今回の研修を通して、社会がより良くなっていくことを切に願っています。

今回の研修に参加したパーソルクロステクノロジー株式会社の大久保 直樹、パーソルテンプスタッフ株式会社の小田切 ゆりあに研修に参加した感想を聞きました。

社会問題を認識することの難しさ、それをどう乗り越えていくのか

パーソルクロステクノロジー
大久保 直樹

——社会問題やパーソルが提供する新たな価値について今回の研修で考える機会があったと思いますが、大久保さん個人として普段から考えていたことはありますか?

大久保:私の組織はIT領域で顧客支援を行っており、エンジニアが多く活躍しています。2019年ごろから海外採用を積極的に行っており、現在も多くの外国籍エンジニアがいます。最近では、外国人のエンジニア受入れ実績と社会課題に対して何かできないかという想いから国を逃れてきた方々を当社で採用することを決めて、昨年度はウクライナの方、今年はシリアの方をインターンとして迎えています。

——今回の研修で苦労された点はなんですか?

大久保:二つあります。まず、社会課題を認識することの難しさです。ソーシャルセクター(※2)で活躍されている方々の話を聞いて、はじめて気付く課題も多くありました。次に、その課題に対して事業会社として取り組むための両立の難しさです。利益追求と社会貢献をどう両立させるかが大きな課題でした。

——今回の研修で得られた気付きや学びについて教えてください。

大久保:社会課題をどう自分の仕事と結び付けるか、どう自分事化するかが鍵だと気付きました。そして、自分の仕事の意味や価値を改めて考える機会となり、何が大切かを深く理解することができました。

——最終発表会のテーマや提案内容について教えてください。

大久保:テーマは「国を逃れた方々への支援」です。自分がリアルに感じている外国籍エンジニアの実情に基づいて選びました。具体的にはシリアやウクライナから逃れてきた方々の就業を支援し、安心して生活できる環境をつくることを目指しています。最終プレゼンでは、個人の価値観や想いに重きを置いて話をしました。普段の事業提案とはまったく異なるアプローチです。CEOの和田さんや(当時)CHROの美濃さんからも、「あなたの発言や想いがしっかりと伝わった」とフィードバックを得られました。

——「最高のリーダー化プログラム」の研修を経て、今リーダー像についてどう思っていますか?

大久保:社会や人々の幸福度向上にかかわり続けたいという価値観が改めて強まりました。リーダーシップを発揮する際には、何をするかだけではなく、なぜそれをするのかをしっかりと伝えることが重要だと気付かされました。自分の想いや背景を言葉にして伝え続けることが大切です。「はたらいて、笑おう。」というグループビジョンは、新たに入社する社員や仲間たちにとっても魅力的だと感じています。実感を得やすいビジョンで、多くの人がこの言葉に共感してくれています。この言葉に基づいてはたらくことが、パーソルの強みだと思っています。

圧倒的な当事者意識、自分事の大切さ。組織としてどう向き合うのか

パーソルテンプスタッフ株式会社
小田切 ゆりあ

——研修に参加したきっかけを教えてください。

小田切:この研修は、社会的価値に焦点を当てたものであり、経済的価値だけでなく、社会への貢献が求められる今のパーソルグループ社員として、大変重要だと感じるテーマで、一社員としてもとても関心が高いものでした。個人的には学び以上に「ネットワークを広げる」ことに注力していることもあり、多くのNPO法人の皆さまとご一緒できるワークなども用意されていたことも魅力の一つでした。自社に閉じず、多様な意見や価値観を知り、パーソルグループとしてどのように未来を描いていくかが重要だと考えています。グループ全体への波及効果を考えつつ、パーソルテンプスタッフとしての役割を明確にすることができたと思っています。

——この研修で得られたものはどういったものでしょうか。

小田切:最も大きな気付きは、自分の視野や問題解決の視点が広がったこと。研修を通じて、個人や役職といった限定的な視点だけでなく、パーソルテンプスタッフとして、一企業として社会にどう向き合うべきかを強く意識できました。社会課題を解決するために、さまざまな領域の人々が集まり協力することが重要だと感じました。

——最終発表したテーマについて教えてください。

小田切:テーマは「ライフイベントとの両立ではたらくことに困難を抱えている方への就業機会の創出」です。具体的には、医療的ケア児(※3)の親御さんや、介護をしながらはたらくビジネスケアラーに対する就労機会の提供です。母がシングルマザーとして派遣で就労していた経験から、非正規の女性の就業機会の創出に取り組みたいとの想いは持ち続けていました。顧客の対象や提供したい価値は見えていましたが、具体的なソリューションを見つけるのが非常に困難だと感じていました。今回選んだテーマの解決策は、まだ完全には見えていません。また、持続可能なビジネスモデルの構築も課題です。NPO法人の皆さまをはじめ、現在活動されている皆さま方とつながり、協力し合い、一歩ずつ進めていく必要性を痛感しています。現段階ではサービス提供に向けて多くの課題が残っていますが、異なるセクターの人々と継続的にディスカッションを進めることが重要ですね。ネットワークを広げることで徐々に解決策も見つかると信じています。

——今回の研修で最も大きな変化や学びは何でしたか?

小田切:自身のマインドセットの変化が最も大きかったです。リーダーとして社会をどう良くしていくかという強い意識を持つことが重要だと感じました。以前は企業の方針を前提に考え、動くことが多かったですが、 研修を通じて主体的に変えていく意識がより一層強まりました。仕事を通じて自分が描きたい未来に向けてはたらけることが「はたらいて、笑おう。」だと私は感じています。それが日々の生きがいややりがいにもなっています。また、マイノリティの方々が安心してはたらける社会をパーソルとしてつくりあげていくことが私の目標です。

(※1)SBU:Strategic Business Unit、FU:Function Unitの略称
(※2)ソーシャルセクター:社会課題の解決を目的としたNPOやNGO、さらには社会的企業など、非営利・営利を問わず、社会貢献を重視する組織や団体の総称
(※3)医療的ケア児:医学の進歩を背景として、NICU(新生児特定集中治療室)等に長期入院した後、引き続き人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な児童のこと


今回の「最高のリーダー化プログラム」を通じて、パーソルグループの各社のリーダーたちは、パーソルの今後取り組むべき社会問題の探求と、その解決に立ち向かうための変革と挑戦に向けた決意により、一層強い灯りをともすことができました。「はたらいて、笑おう。」の実現を目指し、今後も社員自らが主体的に社会課題と向き合い、新しい未来を切り拓いていく力となる研修を実施していきます。

研修の一環で訪れた寺院で

パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
さまざまな事業・サービスを通じて、はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を創造します。

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