RPAの活用で、営業は本来の仕事に集中できるようになる ― PERSOL Group Awards2023受賞の裏に(15)引間 利英 ―

パーソルグループでは年に1回、グループ内表彰「PERSOL Group Awards」を実施しています。「PERSOL Group Awards」とは、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」を象徴するパーソル社員とその仕事の成果に贈られる、グループで最も栄誉ある賞のこと。各SBU、およびユニットに貢献し、提供価値を創出した社員を表彰しています。

本連載では、2023年度の「PERSOL Group Awards」を受賞した社員のキャリアストーリーと、受賞の舞台裏をご紹介します。
第15回目は、パーソルテンプスタッフ株式会社の引間 利英です。

引間が手掛けたのは、営業から企業宛に送る、契約更新確認メールのRPA(※1)化。1,000時間/月の工数削減に成功した、課題解決プロジェクトです。

(※1)Robotic Process Automation。人が行っている作業を自動化できるロボティクス技術のこと。

目次

「営業ならなんでもいいです」の姿勢から、雇用を生み出す意義を感じられるまで

自身のキャリアのスタートを「最初は派遣スタッフとしていわゆる、“携帯電話のショップのお兄さん”をやっていたところからなんですよ」と振り返る引間。今は派遣のサービスを提供する側ですが、元々はサービスの利用者でした。

「知人に派遣のコーディネーターがいたことで派遣のはたらき方に興味を持ち、派遣スタッフになったものの、向いていなかったのか、数カ月で携帯電話会社の法人営業に配属が変更になってしまったんです。しかしそこで、営業の仕事に面白みを感じました。営業をもっとやりたいと考え転職活動をして、パーソルテンプスタッフ(当時のテンプスタッフマーケティング)で正社員としてはたらくことになったんです。今考えると正直すぎるよくない回答なのですが、採用面接の際『営業ならなんでもいいと思っています!』と言ってしまって。それくらい、営業への熱量はありました(笑)」

営業ならなんでも、と志望した引間でしたが、パーソルテンプスタッフでクライアント・スタッフ双方に対して直接かかわり価値提供を行うポジションである派遣の営業を行う部署に配属されました。仕事内容はクライアントのご要望をヒアリングしながら課題を明確にし、解決へ向けて派遣サービスを中心としたソリューションを提示することでした。仕事を始めた当初、お客さまと、派遣スタッフの方への仕事紹介を担うコーディネーターとのやりとりで印象的だったことがあると言います。

「最初に企業を担当したときのことです。はじめて派遣スタッフ募集をしたいと依頼を受けた直後、うれしさもありコーディネーターに共有の電話をしました。地下鉄に乗ったら、たった1駅の間にコーディネーターがご紹介できそうな候補の派遣スタッフの方を見つけてくれたんです。すぐ企業へ報告すると、とても喜んでくださった。こんなにスピーディーに困りごとを解決できるこの仕事、いいなって。また、派遣スタッフの方への提供価値についても考えるようになりました。たとえば仕事と子育ての両立が難しく感じる方にも、フレキシブルにはたらける可能性が派遣ならあるなど、派遣というはたらき方を一つの選択肢として仕事にやりがいを見出してくれたらうれしいなと。誰かの課題感に寄り添い、世の中に雇用を生み出すことで、社会貢献ができているのだと感じるようになりました」

マネジャーは広く課題に目を向け、解決を考える仕事

時を経て、営業推進や営業マネジメントの仕事も経験した引間。企業や派遣スタッフの方の喜びだけでなく、マネジャーとして社内における課題解決にも目が向くようになったと言います。

「初めてマネジャーになった時、上司から『引間さんのチームの損益分岐点は6,000万円だよ』と言われました。つまり、自分のチームで6,000万円売り上げることができなければ赤字事業となってしまう。責任の重さを感じました。チームで売上を上げるにはチームの課題を解決する必要がある。そして事業としてやっていくには、広く世の中の課題にも目を向ける必要があると、いっそう考えるようになりました」

今回のアワード受賞にもつながるプロジェクトのスタート時は、営業チームでリーダーをしていた引間。彼が特に注目した課題は、営業担当者から企業へ送る派遣契約延長確認に関する確認メールの送信業務でした。派遣スタッフの契約期間を延長するか否か、企業へ送るメール。チーム内で業務に関する課題を掘り下げる中で、改善点がいくつも見つかりました。

「契約期限までに都度、多くの企業へメールを送付する作業は、数が多く工数がかかりすぎていたこと。どの時期にどのようなメールを送るのか厳密なルールがなく、属人的な作業となっていたこと。ほかの業務に圧迫されてメールの送信が契約期間ギリギリとなってしまうことで、企業が稟議を通す時間が短くなってしまい負担となっていたこと。契約更新確認メール送信業務は、営業にとっても企業担当者側にとっても負担を増やす原因になっていた。どうにか営業がメールを送らなくてもいい仕組みはつくれないかと考え始めたのです」

「使える」ものをつくるために、チーム間の連携がカギ

今回のプロジェクトでは、最終的にメール送信業務をRPA化しています。しかし最初のステップは、営業とは別に、メール送信を専門に行う別チームを用意することでした。

「最初のステップは、すごくシンプル。メール送信フローを手順化し、営業ではなく事務チームが大半のフローを行うようにしたんです。連絡をするべき企業の情報を収集し、データベース化。データにのっとり、連絡すべき期間に連絡すべき内容をひたすら送るチームに任せることにしました。そうすると、一定の生産性向上や企業の満足度向上が見られました。成果が出ることを確信したので、次はRPA化できないかなと。専門の人の手から、RPAへ。段階的に、メール送信業務を自動化しようとしました」

RPA化に向け、社内のRPAサポートチームと、引間らの営業チームが協力。ここではどちらか任せにならないよう、双方のチームが積極的に連携することが大切でした。

「RPAチームがシステム構築・修正したら、営業がテストとしてすぐそれを使ってみる。使ってみて違和感のあるところやより良くできそうなところは、即座に営業チームがRPAチームへフィードバックをする。これを何度も繰り返しました。双方が一緒につくるものだからこそ、使えるシステムになるし、使いこなせるチームになるのだと思います」

結果として引間らのチームで導入したメール自動送信システムは、大きな成果を生み出します。定量的な成果では、契約更新確認メール送信を本来送るべき時期に送れているかどうかの進捗率が10%上昇し、作業工数は1,000時間/月削減。定性的にも、契約更新確認が早期に可能となったため、企業と派遣スタッフの方の安心感につながりました。このメール送信のRPA化は、引間らの営業チームでの利用にとどまらず、全社に拡大することとなりました。

真剣だけど、深刻にはならず。それが、はたらいて笑うためのコツ

RPA化プロジェクトを経験した引間は、「RPAのすごさが分かった」と率直に話し、同時に「だからこそ、本当に営業ができること、やるべきことを考えなければ」と改めて考え始めたと語ります。

「これまで営業がやっていたことが自動でできるわけです。今回は契約更新確認メールの送信業務でしたが、『営業職じゃなくてもできる、なのに今は営業がやっている仕事』って、ほかにもきっとあるはずですよね。そこをもっと効率化させたい。同時に、それでも営業ではないとできない仕事やその価値、営業の本質みたいなところってなんだろうと考えるようになりました。本質的な仕事に営業が専念できれば、もっと価値提供ができる。今後はより、仕事をより効率的に行うさまざまな仕組みを考えていきたいと思います」

最後に、引間にとっての「はたらいて、笑おう。」について問うと、「うちの会社にいると、絶対聞かれる質問ですよね」と笑って答えます。

「自分が仕事を楽しめることと、仕事が誰かの役に立っていることの両方が大事だと思います。特に楽しめる状況は大事ですね。『真剣』は私にとって楽しいけれど、『深刻』になると身動きが取りづらくなるような感覚かな。真剣で、かつ楽しくあることが私には必要なのかもしれませんね」

パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
さまざまな事業・サービスを通じて、はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を創造します。

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